川本町は島根県のほぼ中央に位置する、人口3,200人程の町です。かつては、人口1万人を超える邑智郡の郡都として、そして、現在も国県の出先機関や警察署、銀行の支店が残るなど「都会の利便性を持つ田舎の町」としての側面を持っています。
様々なものが交わる「交流の町」として発展してきたこともあり、都会的な感覚から醸成された外部の人間を受け入れる寛容さと、田舎的なつながりを大事にするあたたかさがあります。移住者からは、人との距離感がちょうど良く「移住しやすい町」という声も聞かれています。
川本町は大きく分けて3つの地区に分かれており、町の中心である弓市地区、田園風景が広がる三原地区、道の駅やドラッグストア、コンビニ等が並ぶ因原地区と、それぞれに異なる性格を持っています。
インフラ
川本町にはスーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどがあり、生活必需品はすべて町内で揃えることができます。中心市街地には徒歩圏内で公共機関や金融機関、医療施設や教育施設が集中しています。
また、川本町では、町内全域に光ファイバー網(まげなねっと)が整備されています。仕事には欠かせないネット環境もきちんと整っていますのでご安心ください。
まげなねっと(光通信・有線テレビ放送)の加入・解除・変更手続き(川本町ホームページ)
弓市商店街について
川本町には、弓市商店街と呼ばれる中心市街地に位置する商店街があります。この「弓市(ゆみいち)」とは、諸説ありますが、江の川に沿った形状が弓の様な形をしていることから「弓市(ゆみいち)」と呼ばれたという説があります。かつては、水運や陸運の拠点、宿場町として栄えた町で宿泊・飲食・買い物と様々なお店が立ち並び、邑智郡内の中心的存在でした。
弓市商店街業種一覧
現在、弓市商店街では、83店舗が営業しています。県外、町外の方は、起業するにあたり、この川本にどんなお店があって、どんなお店が不足しているのかがとても気になるところだと思います。そこで、現在営業しているお店等の状況や商圏データの紹介をします。
業種 | 店数 | 事業概略 | |
---|---|---|---|
生鮮品 | 総合食料品販売 | 3 | 総合食料品(中規模1、小規模2) |
鮮魚専門店 | 1 | ||
飲食 | 一般食堂 | 3 | |
一般食堂 (弁当・仕出し含む) |
2 | ||
弁当・仕出しのみ | 2 | ||
居酒屋 | 3 | ||
軽食・喫茶 | 4 | ||
焼肉店 | 1 | 老舗の焼肉店 | |
焼鳥店 | 1 | 小規模10名まで | |
鉄板焼き、お好み焼き | 1 | 居酒屋・小宴会可 | |
スナック | 1 | カラオケ可 | |
カラオケ喫茶 | 1 | カラオケ、小宴会可 | |
その他食品 | 菓子卸販売 | 1 | 昔懐かしの駄菓子屋 |
宿泊 | 旅館 | 1 | 部屋数 7 大広間 1 収容人数 36名 |
レストラン・宿泊施設 | 1 | レストラン 30名まで宿泊(和洋 9室) | |
その他の小売サービス | 洋服店 | 2 | 中高年向き |
化粧品店・雑貨 | 2 | 小規模のお店が多い | |
電器店 | 1 | 大手量販店提携店 | |
寝具・家具店 | 2 | ||
クリーニング店 | 2 | 自社クリーニングのお店と大手チェーン店提携店 | |
時計・メガネ店 | 1 | 小規模店 | |
文具店 | 1 | 外販中心 | |
金物店・雑貨 | 1 | 事業者向けのお店 | |
生花店 | 2 | 切り花店、冠婚葬祭対応店 | |
印鑑屋 | 1 | 注文での対応 | |
タクシー | 1 | 町内唯一のタクシー業 | |
印刷会社 | 2 | 自社製版会社と中堅会社の営業店あり | |
写真店 | 1 | 外注での対応店 | |
ギフトショップ | 1 | ギフト専門店 | |
新聞販売店 | 2 | 2事業所で全誌対応 | |
ガソリンスタンド | 1 | 中心市街地唯一のスタンド | |
タイヤ・カー用品販売 | 1 | ブリヂストン販売店 | |
農機具店 | 1 | 農機具全般の修理・販売 | |
仏具・仏壇・葬儀 | 1 | 葬儀請負にも対応 | |
建具店 | 1 | ドア、ふすま、サッシの専門店 | |
手芸店 | 1 | 手芸用、糸、ボタン等各種取り扱い | |
理美容 | 美容院 | 4 | |
理髪店 | 5 | ||
医療系 | 総合病院 | 1 | 地域の中核病院 |
歯科医院 | 2 | ||
調剤薬局 | 2 | ||
介護・福祉施設 | 3 | ||
鍼灸・整体 | 5 | 鍼灸 1、整体 3 | |
司法書士 | 1 | Iターン者が開業 | |
行政書士 | 2 | ||
金融 | 銀行・信金・JA・郵便局 | 4 | 各金融機関あり |
業種 | 事業概略 | |
---|---|---|
官庁等 | 島根県合同庁舎 | 県の出先機関 |
島根県立島根中央高校 | 生徒数:234人(令和2年度) | |
川本町立川本中学校 | 生徒数:59人(令和2年度) | |
川本町立川本小学校 | 児童数:126人(令和2年度) | |
ハローワーク | ||
川本警察署 | ||
簡易裁判所 |
商圏データ
平成28年7月に実施した町内商勢圏実態調査より
- 川本町民の年間世帯支出額計 17億1千万円(平成27年家計調査年報より)
- 川本町世帯消費支出額(平成27年家計調査年報より) 一世帯当り年間消費額 1,176,756円
- 地元購買率 54.3% ※非常に多くの消費が町外へ流出しています。
- 商品名・地元地区別の消費動向
中心市街地のSWOT分析
強み(Strength)
- 半径300m以内に主要な官庁や学校・病院・商店街があるなど、集積度の非常に高い町並みを形成しており、生活のしやすい環境にある
- 光ファイバー網が整備され、大手宅配業者の営業所等、全国事業展開のネット環境が整っている
- 平成の大合併をしておらず、単独町政のため施策の実施にまとまりがある
弱み(Weekness)
- 人口の減少による消費低迷
- 事業者の高齢化と事業承継者不足
- 郊外型店舗への消費の流出
- 観光をはじめとする地域資源が少なく、交流人口への対応が脆弱
- 製造業がなく、新たな産品開発力が乏しい。
機会(Oppotunity)
- 若者定住対策、田舎暮らしでの移住者対策に期待
- インバウンド等の交流人口増に期待
- 誘致企業進出による消費人口増に期待
- 郡の中心地でもあり、地の利はある
脅威(Threat)
- 人口の減少=消費人口の減少
- 大手資本の進出による郊外型店舗への消費の流出
- 道路整備等による近隣市町村、又は山陽方面への消費の流出
このような自己分析を行ってみましたが、実際、この町を訪れ市街地を散策されて、多くの方が、集積度の高さに興味を持たれます。また、中国一の「江の川」の自然が目の前に広がっていることも魅力の一つと言われています。
中心市街地は病院や官公庁もあり、昼間人口も多いという特徴があります。また、近年、高等学校(島根中央高校)には全国からの生徒を受け入れるなど、学校の宿泊施設も満杯状態です。若者の消費ニーズも増加傾向にありますが、これらのニーズに対応できていない状況にもあります。
参考までに、この中心市街地で欲しいと思われる業種について挙げてみます。
中心市街地で不足していると思われる業種
不足業種 | 理由 |
---|---|
コンビニエンスストア |
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書店 |
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外食チェーンのようなメニューのあるお店 |
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スナック |
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メガネ屋・時計屋 |
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パン屋さん |
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惣菜屋さん |
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若者向けの衣料品店 |
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宿泊施設(民泊含む) |
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